「できるだけ歯を抜かない」とは全く違います。

　「できるだけ歯を抜かない」あるいは「なるべく歯を抜かない」と主張する歯科医は、100本中50本から80本を抜歯しても、「できるだけ抜歯しませんでした」と言うでしょう。高野歯科では、歯を抜かないと決めたら、創意工夫をし、個人に合った処置を考えます。たとえば、従来の金属を使用した処置以外を考えます。

　多くの歯医者は、「重度の歯周病」、「重度の虫歯」、「重度の根尖病巣（こんせんびょうそう）」、「歯根破折（しこんはせつ）」などの理由で歯を抜いています。

　医者は、患者の死を医療の敗北と考えます。歯医者も歯がなくなる事を歯科医療の敗北と考えます。

　医師には、癌の末期の痛みがとれないからといって、あるいは、治療法がないからといって、安楽死は認められません。歯科医師は、ざっくりいうと、各自おおまかな抜歯基準で歯を抜いています。

　歯科常識を疑い、抜歯をしなければ歯の自然脱落は、ほとんど起きない事を、35年間以上の臨床で気付きました。

　ですので、「重度の歯周病」、「重度の虫歯」、「重度の根尖病巣（こんせんびょうそう）」、「歯根破折（しこんはせつ）」の歯に対しては、その処置を創意工夫する事で、「抜を抜かない」が可能になるのです。

　C3の虫歯で神経をとる時と、穿下性（せんかせい）虫歯「肉眼で見えない虫歯」の時は、タービンという切削ドリルで歯を削るのは仕方がありません。

　金属やセラミックの詰め物やかぶせ物を入れるために歯を削るのは、古い歯科常識ですので、やめた方が良いと思います。

　麻酔して、歯の象牙質まで削る事は、10〜20年後の虫歯を作っていると考えることができます。また、合着剤のセメントは約10年で劣化し、象牙質が空気に接触したところが２次虫歯になり、発見が遅れ、20数年後に重度虫歯になってしまいます。２次虫歯は、歯ブラシでは予防ができません。

　ですので、金属やセラミックの詰め物やかぶせ物をしなければ、健全な「歯を削らない」ですみます。

　金属やセラミックの詰め物や被せ物は使用せず、歯科処置をします。創意工夫して、レジンで処置しますので、歯を削る部分が減り、将来的な「重度の虫歯」や「歯根破折（しこんはせつ）」が激減します。

　入れ歯は、歯科常識にとらわれず、歯を抜かず、金属のバネをつけず、取り外しのブリッジのように製作します。患者さんから「もっと早くやればよかった」とご好評を得ております。